【相続の手続き】ゴルフ会員権を売却する際の3つのポイント

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親や配偶者など身内が亡くなったとき、相続人が現金や不動産などと並び相続すべきとされる財産の1つに、「ゴルフ会員権」があります。
今回は、ゴルフ会員権の仕組みや資産として評価額の算出方法、相続するときの流れから注意点まで、ゴルフ会員権の相続について知っておきたい情報をご紹介します。これさえ読めば、ゴルフ会員権を相続・売却するために必要な知識を得ることができますので、ぜひ最後まで目を通してください。

ゴルフ会員権とは?

ゴルフ会員権を一言で表すと「特定のゴルフ場でプレーできる権利」のことですが、ゴルフ会員権には以下の2種類が存在しています。

  • ゴルフ場への会員登録により、名義人がそのゴルフ場でプレーする権利を認めたもの
  • ゴルフ場の株式購入、または保証金の預託によって、名義人がそのゴルフ場でプレーできる権利を認めたもの

前者の場合は単なる「ゴルフ場の会員証」ですが、後者は株式や保証金のやり取りによって利用権を得ているものなので、資産として相続財産の一部に算入されます。
つまり、被相続人が株式の購入または保証金の預託によって得たゴルフ会員権を持っていた場合、これも相続税の計算や、相続財産の対象になるということです。このため、被相続人が亡くなったときの財産調査においては、資産としての性質のあるゴルフ会員権がないかどうかも、きちんと確認する必要があります。

ゴルフ会員権を相続する際の流れ

被相続人の財産のなかに資産価値のあるゴルフ会員権が含まれていた場合、法定相続人のうち1人が、代表者として相続手続きを行う必要があります。相続人がゴルフ会員権を相続するときのおおまかな流れは、以下の通りです。

  1. ゴルフ会員権証券の確認
    まず会員権を保有しているゴルフ場名、額面金額(購入した株式または保証金の金額)、名義人である被相続人の名前が記入された「ゴルフ会員権証券」の所在を確認してください。被相続人が会員権を有していることの証明となり、ゴルフ会員権の相続に必要になります。
  2. ゴルフ会員権の相続に必要な書類を準備する
    ゴルフ会員権証券を手元に用意出来たら、法定相続人の中から代表してゴルフ会員権を相続する代表相続人を決定し、以下の書類を用意すれば、手続きに入ることができます。
    ・被相続人と相続人の関係性を証明する「戸籍謄本」または「除籍謄本」
    ・代表相続人のゴルフ会員権相続に全相続人が同意したことを証明する「相続同意書」
    ・代表相続人、また相続に同意した全相続人の「印鑑証明書」相続人が何人いるのか、全相続人の数を確認するための「改製原戸籍」

    なお、相続同意書には全相続人の住所・氏名を記載のうえ、実印を押印したものが有効と認められるのが一般的です。
    しかし、ゴルフ場によっては指定の書式の相続同意書のみ受け付けるというところもあるので、相続同意書はあらかじめゴルフ場に確認してから作成するのが良いでしょう。

ゴルフ会員権を相続、売却する際の3つのポイント

被相続人から、ゴルフ会員権を相続するときの大まかな流れについて、理解できましたか?
ここからは、被相続人からゴルフ会員権を相続、または売却する前に知っておきたい3つのポイントを解説していきます。

ゴルフ会員権の評価

ゴルフ会員権は、取引相場の有無によって、資産としての評価方法と評価額が変わります。
まずは、ゴルフ会員権を相続財産として、その資産額を評価する場合の評価額の計算方法などについてご説明していきます。

取引相場のあるゴルフ会員権

取引相場のあるゴルフ会員権の場合は、基本的には「被相続人が亡くなった日の取引価格×70%」の金額を、資産の評価額として採用します。これに加えて、預託金や保証金の返還が受けられる規約があった場合には、返還のタイミングに応じて、以下のように計算方法が変化します。

  • 【被相続人が亡くなった日の時価において、ただちに返還を受けられる場合】
    被相続人が亡くなった日の取引価格×70%+返還される預託金や保証金の金額
  • 【被相続人が亡くなった日から一定期間が経過した後に、返還を受けられる場合】
    被相続人が亡くなった日の取引価格×70%+返還される預託金や保証金の金額×返還までの期間に応じた基準年利率による複利現価率

取引相場のないゴルフ会員権

取引相場のないゴルフ会員権の評価額は、会員権の種類によって変わってきます。
以下に、取引相場のないゴルフ会員権の評価方法を2パターンご紹介します。

  • 【株主でなければ取得できないゴルフ会員権の場合】
    この場合は株式を評価するときと同様、業態が似ている上場株式の株価や会社の純資産価額などをもとに、資産としての評価額を算出します。
  • 【株主であり、かつ預託金を預託しなければ取得できないゴルフ会員権の場合】
    この場合は、株式部分と預託金を別々に評価し、合算したものを評価額とします。

株式と預託金は、それぞれ以下の方法で評価額の算出を行います。

・株式部分…業態が似ている上場株式の株価や会社の純資産価額などをもとに算出
・預託金部分…返還される預託金や保証金の金額×返還までの期間に応じた基準年利率による複利現価率

 

ゴルフ会員権の名義変更は高額!

ゴルフ会員権を相続し、この権利を行使して相続人がこのゴルフ場でプレーを行うには、ゴルフ場に名義変更を申請しなくてはいけません。名義変更に必要な書類や料金はゴルフ場によって異なりますが、一般的に名義変更料はとても高額で、ゴルフ会員権そのものの評価額を上回るケースもあると言われるほどです。

また、この名義変更にかかる費用が、相続税の控除対象として認められることもありません。あくまで相続人が負担し、ゴルフ場に支払わなければならない料金となるため、事前にコースや金額をよく確認してから手続きに入ってください。

ゴルフ会員権を売却すると税金が発生する!

相続人がゴルフをプレーせず、ゴルフ会員権として保有し続けることを望まない場合は、売却の手続きを取ることも可能です。ゴルフ会員権の売却は、専門の販売業者を通して行うのが一般的です。なお、ゴルフ会員権を相続した時点で相続税の納税義務が生じているため、ゴルフ会員権の売却後に資産評価額に見合った相続税を納付する必要があります。

また、ゴルフ会員権の売却・譲渡によって生じた利益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税の課税対象となるため、確定申告による納税の義務が発生します。課税対象となる譲渡所得(譲渡益)の計算は原則「譲渡価格-ゴルフ会員権の取得と譲渡のためにかかった費用」で行いますが、会員権の所有期間によって少々変わってきます。

詳しくは、以下の計算式を参考にしてくださいね。

1.譲渡所得(譲渡益)の基本の計算式
譲渡価格-ゴルフ会員権の取得と譲渡のためにかかった費用(取得費+譲渡費用)で計算して申告。

2.所有期間が5年以下の譲渡所得(譲渡益)の計算式
1で求めた譲渡所得(譲渡益)から、さらに最高50万円までの譲渡所得の特別控除額を引いて「短期譲渡所得金額」を申告。

3.所有期間が5年以上の譲渡所得(譲渡益)の計算式
1で求めた譲渡所得(譲渡益)から、最高50万円までの譲渡所得の特別控除額×1/2の金額を引いた「長期譲渡所得金額」を申告」

ゴルフ会員権の名義変更や売却時に必要な書類は?

以下に、一般的なゴルフ会員権の名義変更や売却に必要な書類などをリストアップしておきますので、参考にしてください。

【ゴルフ会員権の名義変更に必要な書類】

  • 直近1か月以内に取得した相続人の印鑑証明書
  • 会員証作成に使用する、ゴルフ場指定サイズの写真
  • 戸籍謄本または住民票
  • 他クラブ在籍証明書
  • ゴルフ場指定の名義書換申請書
  • 相続人に関する経歴書
  • 入会規約を遵守する旨を書いた誓約書
    (上記に加え入会申込書、推薦保証書が必要な場合も)

【ゴルフ会員権の売却に必要な書類】

  • ゴルフ会員権、預り金証書または株券のいずれか
  • ゴルフ場のネームプレート、帽章
  • 直近1か月以内に発行した相続人の印鑑証明
  • 相続人の実印
  • 戸籍謄本または住民票  など

※上記は一例です。ゴルフ場により、必要書類は異なる場合があります。

まとめ:ゴルフ会員権を相続、売却する際に知っておくべき3つのポイント

ゴルフ会員権は資産として評価され、相続税の課税対象となったり、相続人が相続すべき財産の一部とされることがあります。相続、また相続後の名義変更や売却にあたっても、戸籍謄本や印鑑証明、相続人全員の同意を示す相続同意書など、必要な書類は多いです。
名義変更には、ゴルフ会員権そのものよりも高額な料金が必要になることもありますので、あらかじめそれぞれの手続きにかかる手間や金額を理解しておく必要があります。
煩雑な部分も多いですが、税理士や弁護士などプロの力も借りながら、あなたにとって良い方向に相続をすすめてくださいね。