【事実婚】財産相続の際に悩まないための4つの知識

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ライフスタイルの多様化によって、日本でも事実婚を選択する夫婦が増えてきています。事実婚は比較的自由な生活ができるというメリットもある反面、相続問題という大きなデメリットも抱えています。事実婚の夫婦が、財産の相続に直面した時に困らない為のポイントを解説します。

事実婚って何?

「事実婚」とは、婚姻届を出していないため法律上の婚姻ではありませんが、夫婦同様の生活を送り、社会慣習上婚姻と認められている状態のことです。事実婚は主体的な意思で婚姻届を出さないことを選択しているという意味で「内縁」と区別する傾向がありますが、法律上、事実婚と内縁は同様に扱われます。

なぜ事実婚(内縁)を選ぶの?

ではなぜ、積極的に婚姻届を出さない事実婚を選ぶ夫婦がいるのでしょうか?

改姓が不要

法律婚をした場合、夫婦別姓が認められていない日本では、結婚後はどちらかの戸籍に入り、同じ姓を名乗ることになります。最近は、結婚後も旧姓のまま通称で仕事を続ける人も多いのですが、公的書類などには通称は使用できません。事実婚であれば夫婦別姓にすることができるので、戸籍上の姓と通称を使い分ける煩わしさがありません。また、免許証やパスポート、銀行やクレジットカードなど、たくさんの名義変更手続きをする負担がないこともメリットです。

離婚歴がつかない

法律婚の場合、別れると戸籍に離婚歴が残ります。事実婚の場合、元々戸籍は変わって
いないため、離婚歴が付くことはありません。姓も変わることがないため、周囲に別れたことを気づかれにくく、プライベートも守られます。

家制度に縛られない

結婚は家と家の結びつきという考え方がまだまだ一般的であるため、法律婚をすると相手の家族や親戚からは「◯◯家の嫁」「◯◯家の婿」として扱われるようになります。事実婚の場合、「相手の家に入る」というようなことではないので、家制度に縛られることなく比較的自由に生活していくことができます。

対等な関係を維持しやすい

事実婚は相手の戸籍に入ることがないため、対等な関係を築きやすい傾向があります。夫は家族を養うもの、妻は家事を担うものといった一般的な役割に縛られず、精神的に自立した関係を保つことができます。

このようなメリットを重要視する人たちが、事実婚を選択しているようです。

事実婚(内縁)のデメリット

逆に、事実婚にはデメリットもあります。

・事実婚は法律上の婚姻関係ではないので、お互いに財産の相続権がない。
・事実婚の税制優遇は認められていないため、税金の配偶者控除を受けることができない。

事実婚では夫(妻)は財産を相続できない!
婚姻届を出していない事実婚の場合、たとえ長く連れ添っていたとしても、お互い法定相続人になることができません。夫(妻)が亡くなっても、財産の相続権がないという、大きなデメリットがあります。

配偶者控除は受けられない

税制面でも事実婚は不利になります。法律婚であれば、所得税や住民税の配偶者控除が受けられますが、事実婚の場合、配偶者ではないため配偶者控除は受けられません。また、医療費控除も認められず、個人の医療費での控除となります。

事実婚(内縁)の夫婦の子は相続できる

事実婚の夫婦の子は、血縁関係があるので法定相続人になることができます。但し、被相続人がその子供を認知していることが条件となります。先妻との間にも子供がいるという場合は、先妻の子と事実婚の夫婦の子は同じ相続割合となります。
例えば、夫が被相続人で相続財産が5,000万円、先妻との子が1人、事実婚の妻との子が1人のケースでは、先妻と事実婚の妻には相続権はなく、先妻の子と事実婚の子が1/2ずつ、それぞれ2,500万円相続することになります。

夫(妻)が財産を相続するには遺言書が必要

事実婚の夫(妻)は、法定相続人ではないため相続はできません。夫(妻)に財産を残すためには、生前に遺言書を作成しておくことが必要です。但し、遺言書がある場合でも、相続税の配偶者の税額軽減が適用されないため、相続税を支払わなくてはいけません。

遺言書を書かない場合の相続人は?

夫が被相続人となり遺言書がなかった場合、まず法定相続人の第一順位は子供です。子供が複数いれば、相続分を頭割りすることになります。先妻との間に子供がいるという場合は、その子供にも同等の相続権があります。子供がいない場合は、第二順位は夫の親となり、両親共に健在であればそれぞれ2分の1ずつ相続することになります。

まとめ:事実婚の夫婦が相続する際に気を付けるポイント

  • 事実婚とは、婚姻届を出さずに夫婦同様の共同生活を送っており、社会慣習上婚姻と認められている状態のこと。
  • 事実婚の夫婦は夫(妻)法定相続人になれないため、夫(妻)が亡くなっても、財産の相続権がない。
  • 但し、生前に遺言書を作成しておくことで、夫(妻)に財産を残すことができる。
  • 事実婚の夫婦の子は、被相続人がその子供を認知していれば相続できる。