【2018年最新版】後妻でも安心|財産は相続できる

後妻相続_アイキャッチ

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突然夫が亡くなってしまった場合、火葬や葬儀の手続き、各種書類の届け出など、悲しむ暇もないくらいやらなければならないことはたくさんあります。その中の一つに、相続の問題があります。昨今離婚や再婚をする人は多く、配偶者に先夫や先妻がいることも珍しくありません。そういった場合、通常の相続とはどのように異なるのか気になりますよね。今回は、後妻の方に焦点を当てて、後妻は夫の財産を相続できるのか、子がいる場合にはどのような相続割合になるのか、相続に大きく関わる遺言書と遺留分についてご説明していきます。

後妻は相続できるのか

後妻とは、その字面の通り、後に迎えた妻のことを言います。しかし古くは、一夫多妻制の時代もあり最初の妻に対して、後からめとった女性のことを意味していました。現在では、妻と死別または離婚した男性が、その後で迎えた女性という意味になっています。

先妻がいたとしても、きちんと籍を入れていれば後妻が新たな配偶者になったことに変わりはありません。ですから後妻は財産を相続することができるのです。夫が亡くなった場合、法定相続人は配偶者になります。配偶者は、存在する相続人の中で最も優先順位が高く、法定相続分は1/2です。また、後妻の相続権は、結婚してから経った年数や期間、年齢差などにまったく関係なく、財産の1/2の相続分が保証されています。

先妻の子と後妻の関係

後妻の相続分は1/2ですが、子供がいる場合相続分が変化するのか気になりますよね。ここでは先妻と夫の間に子供がいる場合の相続について、ご説明していきます。

先妻の子と後妻の関係

先述した通り、配偶者は存在する限り必ず法定相続人になります。配偶者の法定相続分は1/2ですので、後妻の相続分も財産の1/2です。

先妻と夫の間に子供がいた場合、先妻の子も配偶者同様1/2の相続分を保有しています。先妻の子と夫の間には血族関係が発生しているので、たとえ離婚したとしても子供は相続権を失うことがないからです。また、遺言書などにより相続権を持つ人物に十分な財産が残らない場合、遺留分という権利によって先妻の子は相続権を主張できるのです。

先妻の子が2人いる場合は、子供が持つ相続分1/2を2人で割ることになります。子供が何人いたとしても、相続分は同一の割合で持っているため、相続分1/2を人数分で割ったものが一人あたりの相続分になるのです。つまり子供が2人であれば、一人ひとりの相続分は1/4ということです。

先妻の子、後妻の子の相続

夫が亡くなった場合、先妻の子にも相続権があるということはお分かりいただけたかと思います。しかし一般的な妻の子の相続とは異なるのが、先妻の子と後妻の子の相続です。

子供に1/2の相続分が確保されていることは同じですが、先妻と夫の間に子がいた、後妻との間にも子供がいた場合、2人の子は同一割合で相続分を持っています。つまり子供が複数人いる場合には、先妻の子であっても後妻の子であっても相続分1/2を人数分で割ったものが一人ひとりの子の相続分です。

しかしこれはどちらも養子縁組に入った上での話であるため、平等に財産を相続するには養子縁組が必要不可欠なのです。

またややこしいのは、後妻が亡くなった場合です。後妻が亡くなって財産を相続できるのは、後妻の子のみです。先妻の子と後妻の間には血族関係がないため、先妻の子には相続権が発生しないからです。先妻の子に相続したい場合には、遺言書をのこすか、先妻の子を養子縁組にする必要があります。

後妻の子の相続は、再婚した夫との養子縁組が必要

相続には血族関係というものが深く関わってきます。後妻に連れ子がいた場合、その子が再婚する夫の相続権を持つためには、再婚する夫と養子縁組する必要があります。再婚しただけでは、当然後妻の子と(再婚する)夫が血族関係になることはありませんし、自動的に親子関係が生じることもありません。戸籍上繋がりを作るためには、養子縁組に入る必要性が出てくるのです。

養子縁組になることで後妻の子と夫の間に血族関係が生まれます。相続人には優先順位があり、配偶者や子はその順位の高いところに位置しています。血族関係が生まれることにより、後妻の子の相続人としての優先順位を高めることができるのです。

夫が亡くなった場合、先妻の子の相続は後妻との養子縁組が必要

先妻の子が後妻の相続をするには、養子縁組が必要になります。先妻の子と後妻の間には血族関係がないため、そのままでは財産を相続することはできません。夫に引き取られた先妻の子が後妻の相続をするには、後妻と養子縁組することで血族関係が生まれるので、後妻が亡くなった場合でも財産の相続が可能です。

養子縁組をせずに後妻が亡くなり、夫が後妻の財産を相続した場合は、後に夫がなくなった際、先妻の子が財産を相続できます。夫と先妻の子にはもともと血族関係が存在しているので、1/2の相続分を相続することができるのです。

夫の遺言書があっても後妻は全財産を相続できない!

夫が亡くなったときに、遺言書があれば財産の分割が楽になると思いますよね。しかし遺言書に後妻に全財産を相続すると明記されていても、全てを相続できるとは限りません。

民法では、一定の割合を相続人に取得させる、遺留分という権利を定めています。遺留分とは、配偶者や子供など血族関係にある相続人に対して認められている、最低限の財産取得分のことで、遺留分を主張できる相続人であれば民法で定められた割合の財産を相続することができます。

亡くなった人の財産を相続する場合、一般的には法定相続人が法定相続分に従い財産を受け継ぐのが基本です。しかし遺言書や贈与がある場合、配偶者や子供が十分に財産を受け取ることができないようなケースも存在します。そのため、法律で最低限の財産相続分を保証したのです。

夫が遺言書で「後妻に全財産を相続させる」と意思表示をしていたとしても、先妻に子供がいる場合、その子は遺留分をもらう権利があります。民法902条1項では、遺言書でも遺留分を侵害することはできないと定められており、子供は遺留分を主張できるのです。

遺留分の割合は以下のとおりです。

・直系尊属のみが法定相続人……1/3
・子供のみが法定相続人……1/2
・配偶者と子供が法定相続人……1/2
・配偶者と直系尊属が法定相続人……1/2

配偶者と子供がいる場合の遺留分は1/2なので、法定相続人が配偶者と子供1人の場合、一人あたり1/4の相続分をもらうことができます。子が2人の場合、配偶者は1/4の相続分を持ち、子一人あたりの相続分は1/8となります。

遺留分を請求するための手続き

血族関係にない、遺言書のせいで正当に財産を分割してもらえないなどの問題は遺留分で解決できることがわかりましたが、ここでは実際に請求するための手続方法をご紹介します。

まず、遺留分を請求する手続のことを法律上で「遺留分減殺請求」と言います。養子縁組をしていない先妻の子でも、遺留分減殺請求をすれば遺留分を相続することができます。先妻の子は遺留分をもらう権利と遺留分減殺請求権があるので、請求さえすれば民法で定められた最低限の財産を分割してもらえるのです。

遺留分減殺請求とは、遺留分を請求する手続のことでもあり、また遺留分をもらう権利のことでもあります。こちらを請求する場合には、弁護士に相談しなければならないケースも多く、事前に被相続人の遺言書や財産の確認、相続人の調査など多くの手順を踏むことになります。遺留分減殺請求は口頭でも行えますが、次にご説明する遺留分減殺請求の時効にも関わることがありますので、内容証明郵便で通知書を作成し郵送するのが良いでしょう。

遺留分減殺請求の時効

自分が遺留分を確保しているからと言って、永遠にその権利があるわけではありません。遺留分減殺請求には時効があり、これも民法で定められています。民法第1042条では、その期限を過ぎると一切の請求が認められない、ということが明記されています。

・相続の開始及び遺留分を侵害している遺贈・贈与があることを知ったときから1年を経過したとき
・相続の開始から10年(相続の開始を知らなくても)を経過したとき

上記の期限を過ぎてしまうと、確保されていた財産の相続分や相続権は消滅してしまうことになります。民法によって定められた除斥期間の中で、きちんと財産を相続・分割するために自分が相続人であるとわかったらすぐに遺言書や贈与の確認、財産の調査などを行うべきでしょう。

また遺留分があるにも関わらず、その権利が侵害されている可能性がある場合には早めに遺留分減殺請通知書を提出する必要があります。

まとめ:後妻が相続する際に気を付けるポイント

最後に、後妻が相続する際に気をつけなければいけないポイントをわかりやすくまとめていきます。

  • 後妻は相続できる
  • 後妻の子の相続
  • 先妻の子の相続
  • 遺留分があるため、遺言書は万能ではない
お金の問題というのは、非常にデリケートなものです。大切な人が亡くなり悲しみの中で様々な問題を解決していくのは、心身ともに苦痛なことですよね。相続について事前に知っておくことは、いざというとき自分自身を救う手立てになるかもしれません。今回の記事を参考に、後妻の方は相続について知識を深めてみてください。