【親の相続】子供が亡くなった時、財産はどう分割する?

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相続というと親から子供へというイメージが強いかもしれませんが、子供から親へ相続されるケースがあることをご存知でしょうか。今回のテーマは子供が亡くなったときの親の相続についてです。子供夫婦に子供(親から見た孫)がいない場合の相続順位や財産分割について分かりやすく説明しています。

相続する親はもちろん、相続順位や財産分割について知りたい人は必見の内容なので参考にしてください。

法定相続人の順位

法定相続人とは、法律で定められた被相続人の財産を引き継ぐ権利と義務を持つ人のことです。被相続人の子、配偶者(妻や夫)、親、兄弟姉妹は相続人になる可能性を持っていて、法律で順位が定められています。

基本的には子供→親→兄弟姉妹の順位になっていますが、配偶者には必ず相続権があるので注意しましょう。

相続順位を細かく説明していくと

  1. 配偶者と子供
  2. 配偶者と孫(ひ孫)
  3. 配偶者と親(被相続人に子供がいないまたは子供が死亡している場合)
  4. 配偶者と兄弟姉妹(被相続人に子供がいないまたは子供が死亡している場合)
  5. 配偶者のみ
  6. 子供のみ
  7. 孫のみ
  8. 親のみ
  9. 兄弟姉妹のみ

の順となります。

例えば、被相続人に配偶者と子供がいる場合は、親や兄弟姉妹に相続権はなく、子供や孫がいない場合に配偶者が「自分だけに相続権がある」と主張することはできません。

つまり被相続人の親が法定相続権を得るためには

  • 被相続人夫婦に法律で認められた子供や孫がいない

ことが条件になります。

子供が亡くなった場合の親の相続割合

では、子供が亡くなったときに、親の相続割合はどうなるのでしょうか。

子供に夫または妻(配偶者)がいる場合は、「配偶者に2/3の相続権」、「親(父母両方)に1/3」の相続権が生まれます。

例えば、被相続人A(42歳)が亡くなり、Aには妻(配偶者:40歳)、子供(10歳)、父(70歳)と母(68歳)がいたとしましょう。この場合、Aの父・母に相続権はありません。

子供が亡くなった場合の親の相続割合(子あり)

では、A夫妻に子供がいなかった場合はどうでしょうか?

Aの妻が存命であれば妻に2/3、父母あわせて1/3の相続権が発生するため、父に1/6、母に1/6相続する権利が発生します。妻と母だけが存命の場合は、母は財産の1/3相続できることになります。

子供が亡くなった場合の親の相続割合(子なし)

遺産分割協議をしたくない3つのケース

遺産分割協議とは、簡単に言うと「遺産をどのように分けるか話し合うこと」です。この話し合いの結果を文書化したものを「遺産分割協議書」といいます。遺産分割協議書は、相続人の人数分作成し、相続人全員が署名・押印してそれぞれが保管することになります。

一度遺産分割協議が決まってしまえばやり直すことはできませんので、話し合いは慎重に行う必要があります。またお金のことが絡んでくるので、スムーズに話し合いが進まず、トラブルになることも多いです。

特に

  • 相続人である親と兄弟姉妹が不仲
  • 相続権のない妻だけが義父の介護をしている
  • 離婚で異母兄弟がいる

の3つのケースで揉めることが多く、このようなケースでは「できるだけ遺産分割協議をしたくない」と相談に来るケースが多いといわれています。

兄弟姉妹と不仲

過去の遺恨などで、親と子供、兄弟姉妹同士の仲が良くないときは、話し合いがうまく進まず、財産の分割についても揉める傾向があるといわれています。

今回の「子供から親への相続」に関していうと、被相続人の親と被相続人の兄弟姉妹の仲が悪かったり、被相続人と兄弟姉妹の仲が悪かったりすることがトラブルの原因になります。

例えば、被相続人である子供Aと妻Dに子供がおらず、兄Bと父Cが存命だとします。法律上では父Cに相続権がありますが、兄Bと父Cが不仲であれば兄Bが父Cに素直に財産を渡したくないと思っても不思議ではないでしょう。

兄弟姉妹と不仲

また、被相続人である子供Aが兄Bに財産を分割したくないと思っていても、配偶者である妻Dが存命で子供Aと妻Dの間に子供がおらず、父Cも子供Aよりも先に亡くなっている場合は妻Dと兄Bに相続権が生じてしまいます。妻Dが子供Aの意思を知っていれば、財産分割でも揉めることになってもおかしくありません。

妻が義父の介護をしている

被相続人である義父の配偶者に相続権はありますが、義父の子の配偶者(妻)に相続権はありません。そして義父よりも先に子供が亡くなった場合、亡くなった子供の相続権を配偶者が引き継ぐこともできません。

例えば、子供Aと妻B、父C(妻から見た義父)がいる場合、父からの財産はあくまでも子供Aに相続されることになります。子供Aが亡くなった場合、子供Aと妻B夫婦の子(父Cから見た孫)に代襲相続されます。

でも、妻側からすれば義父を介護してきたのは自分であり、その貢献を認めてもらいたいと思うのは当然ではないでしょうか。このような場合、義父が嫁(子供の妻)に遺贈する意思を明らかにしておけば、義父の財産を相続することが可能性です。

妻が義父の介護をしている

ただし、きちんとした遺言書を作成していない場合、法的に相続権がある人(義父の子など)から反対される可能性は高く遺産分割協議が長引きます。

親が離婚したことがある

法律で認められた「子供」であれば同じように相続権があります。これは離婚などが原因で親から離れて育った子供でも同様です。つまり異母兄弟や異父兄弟同士でも、それぞれ同じように相続権があります。ちなみに、認知されていれば愛人の子や内縁の妻の子でも相続権があります(ただし愛人に相続権はありません)。

異母兄弟が多い場合は、それぞれの家庭環境などで感情的になることが多く、財産分割で揉めやすい傾向があります。

例えば、実の親から離れて暮らしていた子供で実親からの愛情や支援がもらえなかった場合は、その分を取り戻そうとするでしょう。

反対に、ずっと一緒に暮らしていた子供から見れば、離れて育った異母兄弟が自分と同様の相続権を持つことに納得できなくても不思議ではありません。

遺言書ですべて解決

上記のようなトラブルは、生前に遺言書を作成しておくことで避けることができます。

遺言書とは自分の死後の財産をどのように分割するかを明記したものであり、法律が定める方式に従って作成する必要があります。

例えば、上記1のケースのように兄弟姉妹と仲が悪い場合でも、相続順位通り親に相続させると遺言書に明記しておけば話がこじれにくいはずです。

また、もし被相続人が兄弟姉妹に相続させたくない場合や親が存命でも遺贈として兄弟姉妹に資産を譲り渡したいときも、遺言書に書き記しておくことで対応できます。

遺贈に関しては上記2のケースでも同様です。義父の財産を嫁に残したい場合は、義父が生前に「嫁に遺贈する」と遺言書に明記しておくようにしましょう。異母兄弟への分割分についても、遺言書に明記しておくことで遺産分割協議を避けることができます。

ただし、法定相続人には遺留分(被相続人の意思に関わらず一定の相続分を受け取る権利)があることは留意しておきましょう。自分勝手に財産分割を決めても遺留分の主張で争いが起こってしまう可能性があります。

弁護士に相談しながら、遺恨がない遺言書を作成するようにしましょう。

まとめ:親が相続する際に気になるポイント

子供が亡くなった場合、子供の子や孫(親から見た孫やひ孫)がいると親に相続権は生じません。また、子供に配偶者がいる場合は配偶者に必ず相続権が発生しますので、親が配偶者の相続権を否定して自分だけ相続権を主張することもできません。

そして、財産分割をしたくない場合や本来相続権がない人に財産を残したい場合は、遺言書を作成することで対処が可能です。

ただし法定相続人には遺留分があります。弁護士に相談しながら、死後に親族が揉めないような遺言書を作成するようにしてください。