【遺産分割協議とは?】流れや必要書類を解説!

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被相続人の遺言書がなかった場合、全ての相続人で遺産分割協議をすることになります。遺産分割協議とは何か?その流れと、必要書類。また、相続放棄をした方がいい場合や遺産分割の方法などをまとめて解説します。

遺産分割協議とは? 

遺言書がなく相続人が複数いる場合、相続財産をどのように分割するかを決めなくてはいけません。誰にどのように分けるかを、相続人全員の話し合いで決めることを遺産分割協議と言います。 

遺産分割協議の前後の流れ

遺産分割協議はどのように行えばよいのでしょうか?遺産分割協議の前後の流れをまとめました。

遺産分割協議

 

  1. 相続人の確定
    遺産分割協議は、相続人全員が参加していないと話し合いをしても無効となってしまうため、相続人が欠けていないか確認することが必要です。そのためには、被相続人の戸籍謄本を取得し相続人を確定させなければいけません。
  2. 相続財産の調査
    相続財産の調査は主に預貯金と不動産になります。預貯金の場合は、被相続人の通帳から取り引きしている金融機関を調べ、残高証明書をもらうことで調査を行います。不動産については、固定資産の納税通知書があれば把握できるので、記載されている地番や家屋番号から法務局で登記簿謄本を取得します。登記簿謄本で不動産が誰のもので、誰の名義になっているのかを確認することができるので、調査には欠かすことができません。
  3. 遺言書を探す
    遺言書がある場合はその内容に従うのが原則となるので、遺言書の有無を確認する必要があります。
  4. 遺産分割協議
    確定した相続人全員で遺産分割協議を始めます。遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って分割(指定分割)します。遺言書がない場合は、遺産分割協議を行います。話し合いが成立したら、その内容を記すために遺産分割協議書を作成。話し合いが不成立となったら、遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てることになります。遺産分割調停は、調停委員に間に入ってもらい、相続人同士が家庭裁判所で分割方法を話し合うための手続き。遺産分割審判は、家庭裁判所の裁判官が遺産分割の方法を決定する手続きとなります。調停で話し合いができる見込みがない場合に、審判という方法がとられます。

遺産分割協議書

作成に必要な書類

遺産分割協議書を作成する際に必要となってくる書類があります。戸籍謄本類に関しては取り寄せるのに時間がかかるケースがあるので、早めに集め始めることをおすすめします。必要書類は次の通りです。

  • 被相続人の出生(12歳頃)から死亡までの除籍謄本、改製原戸籍
  • 法定相続人が確定するまでの、連続した 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
  • 被相続人の住民票の除票、戸籍の附票 (被相続人の死亡時の住所証明に必要)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 相続人全員の印鑑証明書と実印

プラスの財産とマイナスの財産

相続財産と言うとプラスの財産ばかりをイメージしがちですが、借金などのマイナスの財産も相続されます。相続財産の種類を把握しておくことが重要です。

プラスの財産

  • 不動産
    土地、建物、借地権・借家権、農地、山林など
  • 現金、有価証券
    現金、預貯金、株券、国債、社債、債権など
  • 動産
    家財、自動車、船舶、貴金属、美術品、果樹など
  • その他
    慰謝料請求権、損害賠償請求権、ゴルフ会員権、特許権など

マイナスの財産

  • 借金
    買掛金、住宅ローン、手形、小切手など
  • 税金
    未払いの所得税、住民税、その他の税金
  • 未払い金
    家賃、地代、医療費など

マイナスの財産が多い場合は相続放棄

プラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合は、相続放棄することも法律で認められています。相続放棄をした場合、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続することはできません。プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからないというような場合は、限定承認という、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する方法もあります。

相続放棄の期限

相続放棄ができる期限は、被相続人が亡くなってから3ヶ月以内と決まっています。期限内に相続放棄も限定承認もしなかった場合は、単純承認となって相続をしたことになってしまうので注意が必要です。

4つの遺産分割方法

相続財産を分割する方法は4つあります。

  1. 現物分割
    現物分割とは、個々の財産をそのままの形で分割する方法です。例えば、自宅の土地建物は長男、マンションは次男、預貯金は妻にというように、財産の形状を変えず分割するので、相続人にとって一番分かりやすいことがメリットです。但し、不動産の評価や預貯金が等価であるとは考えにくいため、公平に分割するのは難しくなります
  2. 換価分割
    換価分割とは、不動産や株券などの相続財産を売却し、現金化して分割する方法です。財産を公平に分割することができますが、売却に手間と費用がかかったり、譲渡所得税が課税されたりするので、換価分割を検討する際には注意が必要です。
  3. 代償分割(代償金を支払う)
    現物分割で相続する財産が公平にならない場合など、相続する財産が少ない相続人に対して現金(代償金)を支払い調整する方法を代償分割と言います。例えば、相続財産が不動産しかなかった場合、長男が自宅の土地建物を相続し、次男、長女に1,000万円ずつ支払うことで、不動産は分割せずに残すことができます。この場合、不動産を相続する相続人に代償金を支払う能力がなくてはいけません。
  4. 共有分割
    共有分割とは、相続財産を相続人が具体的相続分の持分割合に応じて共有して相続する方法です。例えば、自宅の土地建物を妻が1/2、長男と次男が1/4ずつ相続するような場合です。将来売却するには相続人全員の同意が必要になります。共有者が亡くなった場合、相続が発生し更に共有者が増えることになり、売却したくてもできないなどトラブルになる可能性があるため、通常はおすすめできない方法です。

遺産分割協議で考慮すべき特別受益とは?

特別受益とは、相続人が被相続人から生前贈与や遺贈を受けている場合の利益のことを言います。特別受益を受けた相続人と受けていない相続人が法定相続分通りに財産を相続すると、不公平が生じてしまいます。その不公平をなくすために民法では特別受益を考慮した計算方法で相続分を算出することが決まっています。特別受益が認められると、受益者の相続分が減額されます。

では、どのようなものが特別受益の対象となるのでしょうか?民法では、遺贈及び婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与となっています。具体的には次のようなものがあります。

  • 遺贈
    遺言書に財産を遺贈すると書いてある場合。遺贈ではなく財産を相続させると書いてあった場合も特別受益に含まれます。
  • 学費
    普通教育以上の高等教育を受けるための学費が、他の相続人に比べて多額な場合は特別受益となります。
  • 生計の資本としての贈与
    住宅や土地の贈与や購入資金、事業を始めるための開業資金の援助も特別受益となります。遊興費のための贈与は特別受益にはなりません。
  • 婚姻や養子縁組のための贈与
    婚姻の際の持参金や支度金は特別受益に含まれますが、結納金や結婚式の費用は特別受益にはなりません。養子縁組の際に住居の提供を受けた場合などは特別受益となります。

まとめ

  • 遺産分割協議の流れは、まず相続人を確定し相続財産を調査、遺言書の有無を確認。その後、遺産分割協議に入り、話し合いが成立したら遺産分割協議書を作成、不成立の場合は遺産分割調停若しくは遺産分割審判を申し立てる。
  • 相続財産にマイナスの財産が多い場合は、3ヶ月以内に相続放棄することができる。相続放棄は、プラスの財産も相続できなくなる。
  • 相続財産を分割する方法は4つ(現物分割、換価分割、代償分割、共有盤割)
これらのことを正しく理解して、トラブルなく遺産分割協議を終えましょう。