財産目録を作成する必要性、書式、記載例を解説!

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相続が発生したとき、被相続人の財産調査とあわせて財産を一覧表にまとめた「財産目録」の作成が推奨されていることを知っていますか?
今回は、相続税の申告と支払いをはじめ、相続のさまざまなシーンであると役に立つ財産目録について、その必要性や作り方などを詳しく解説していきます。これさえ読めば、特に財産目録の作成が必要なケースや、書き方のポイントまで理解することができますので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。

財産目録とは?

不動産・預貯金・現金などプラスのもの、そして借金・未払い金などマイナスのものまで、被相続人が所有していた財産のすべてを記録した一覧表が「財産目録」です財産目録は、法律上作成の義務があるものではありませんが、相続財産の有無や量を一目で確認することができ、相続税の計算・申告の要否の判断・申告書の作成に役立ちます。
また、以下のように「相続税は発生しないが相続税申告が必要」というケースもありますので、財産調査の結果を財産目録として記録しておくことが推奨されているのです。

【相続税発生の対象にはならないが、相続税申告が必要なケースの例】

  • 小規模住宅地等の特例を適用する場合
  • 配偶者の税額軽減措置を適用する場合

財産目録を作る必要性とは?

被相続人の財産のすべてを一覧に書き出し、わかりやすく把握できるよう整理したものが財産目録ですが、これを作る必要性はどこにあるのでしょうか?
ここからは、財産目録を作ることの必要性を、2つの項目に分けてご説明していきます。

1.相続税申告のために必要

被相続人のプラス財産が、相続税の基礎控除を超える金額になる場合は、税務署に申告して相続税を納付しなければなりません。ただし、相続税の申告と納付にあたっては、あわせて財産目録を提出する必要があります。被相続人の財産の評価額が大きいとあらかじめわかっている場合、また財産を調査・整理するうちに相続税の申告と納付の必要がありそうなときは、作成しておくべきでしょう。

2.遺産分割協議がまとまらない場合に必要

相続人が複数いる場合、協議のうえ被相続人の財産を分割する必要がありますよね。
しかし、相続人たちの間で被相続人の財産への認識に違いがあった場合、互いに疑いが生じ、相続人同士での遺産分割が滞り、決裂することもすくなくありません。
このような場合は、家庭裁判所に遺産分割のための調停や審判を申し立て、当事者たちの代わりに遺産分割を決定してもらうことになります。家庭裁判所への遺産分割調停の申し立てには財産目録を添付しなければなりませんので、財産目録の作成は、遺産分割協議がまとまらないときにも必要なのです。

財産目録の書式

財産目録の書式に指定はありませんが、記載すべき項目は決まっています。
ここからは、「不動産」「現金・預貯金」「株式・投資信託(有価証券)」「借金・債務」「その他」の5つの財産別に、財産目録に必要な項目について、具体的に紹介していきます。ぜひ、財産目録作成の参考にしてくださいね。

それぞれの財産の記載例

財産目録上では、財産の種類別にその財産の所在地や所有期間、名称、番号、具体的な金額(評価額)などを記載すべきであるとされています。

【不動産】不動産を財産目録に記載する場合に書くべき項目は、以下の通りです。

  • 財産となる不動産の所在地住所(地番まで詳しく記載)
  • 財産となる不動産の面積、所有割合
  • その不動産を共同で所有している人物があれば、その氏名
  • 財産となる不動産の評価額
  • その他、抵当権の有無と設定額 など

【現金・預貯金】現金・預貯金を財産目録に記載する場合に書くべき項目は、以下の通りです。

  • 財産となる現金を預けている金融機関名、支店名
  • 現金を預けている口座の種類(普通預金、定期預金 など)
  • 現金を預けている口座の名義人と口座番号
  • 口座の残高
  • 口座の満期日    など

【株式・投資信託(有価証券)】有価証券などを財産目録に記載する場合に書くべき項目は、以下の通りです。

  • 財産となる有価証券・株式などを購入した証券会社や金融機関名、支店名
  • 財産となる有価証券・株式などの商品名や銘柄
  • 財産となる有価証券・株式などが、どのような種類のものにあたるか
  • 財産となる有価証券・株式などをどのくらい(口、円、単位)所有しているか
  • 財産となる有価証券・株式などの金額(そのときの評価額)
  • 財産となる有価証券・株式などを購入した年月日   など

【借金・債務】借金・債務を財産目録に記載する場合に書くべき項目は、以下の通りです。

  • 借金・債務をしている会社や金融機関の名前、支店名
  • 会社や金融機関からの借り入れ、返済を行った年月日
  • 借金・債務などの金利と元本
  • 借金・債務などの返済状況(返済金額)
  • 借金・債務を行ったときの保証人の情報   など

【その他】上記の他、車、家財など動産を財産目録に記載する場合に書くべき項目は、以下の通りです。

  • 財産となる動産の所在地の住所(地番まで詳しく記載)
  • 財産となる動産の名称や詳細
  • 財産となる動産の金額、表金額    など

まとめ

正確な相続財産の把握の他、小規模宅地等の特例や、配偶者の税額軽減措置の適用を受けるための相続税申告にも必要な「財産目録」についてご紹介しました。財産目録は、上記以外にも相続税の支払いが発生する場合の申告や、遺産分割調停の申し込みの必要書類にも含まれている、大切なものです。
最初は必要ないと考えていても、財産調査していくうちに必要な状況に変わっていくことも多いからこそ、相続が発生した段階で作成するのが推奨されています。
財産目録の書式に決まりはないので、それぞれの財産ごとに記載すべき項目さえ知っていれば誰でも作成できますので、書き方を理解したうえでぜひ作成してください。