仏具の必要性や種類を解説

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仏壇を購入するとき、付随して必要と考える道具が仏具で、仏壇に最も必要なものはお位牌とご本尊ですがそれ以外の仏具は何を揃えるべきなのか。そもそも仏具とは何なのかなど、ここでは仏具に関する基礎知識から具体例、また難しい仏具の読み方なども解説していきたいと思います。

仏具について

仏具のはじまり

仏具とは、仏教の儀式に用いる道具のことです。仏教が徐々に伝播していく中で、僧侶が多くの人々の前で儀式を司る機会が増え、その際に必要な道具が生み出されたことが始まりとされています。そして江戸時代以降、現在のような仏壇が家庭に祀られるようになり、一般家庭に浸透していくにつれ、仏壇をお参りをする際に使用される道具として、現在は様々な種類の仏具が揃えられるようになっていきました。

仏具はなぜ必要なのか

仏壇を飾る事を荘厳(そうごん・しょうごん)といいます。宗派や地域により飾り付けが異ります。荘厳で大切なことは先祖やご本尊様を祀る心です。仏壇に手を合わせることで、日々の感謝を伝えるとともに、会話をし、自分を見つめ直すといった意味もあります。その際に必要とされる基本のお供え物として仏教においての「五供(ごくう)」と呼ばれる「香」「花」「灯明」「水」「飲食」があります。そしてそれらに使用される道具としても仏具が必要となってくるのです。五供の解説は以下となります。

五供について

お線香や抹香を指し、お香の香りが隅々まで行き渡ることが、平等と差別のない仏様の慈悲を表し、仏壇へ手を合わせる私たちの心身を清めるとされています。

仏壇に花を供えることを「供花(くげ)」といいます。香と同様に仏様の慈悲を意味し、お参りする側に花の正面が見えるように飾ります。美しい花のように清らかな澄んだ心で仏様にお参りするという意味があり、一般的には菊などを用いますが、故人の好んだ花などでも問題ありません。ただし、派手な色や棘、毒をもつ花などは避けた方が良く、近年では仏花としてドライフラワーや造花も普及していますが、枯れてしまう様が無常を表現しているともいわれており、生花を使用するのがベストです。

灯明

「灯明」とはロウソクの灯りを指し、仏様の場所を明るく照らす意味と、仏様の慈悲の光で私たちの煩悩を消し、安らぎを与えていただくとも意味されています。尚、人の息にはけがれが溜まりやすいといわれ、仏様やお供え物に触れる事を避けるべきと考えられています。ロウソクやお線香の火を消す際は手で仰ぎ消すのが良いでしょう。

清らかな水をお供えすることは、私たちの心も洗われるといわれ、近年では水道水やお茶をお供えする家庭も多いですが、本来は自然水が良いとされています。尚、浄土真宗では「八功徳水」(はっくどくすい)という八つの功徳を備えた水があるとされ、水を供えません。

飲食

私たちが食べるものと同じものをお供えすることで、故人や仏様との繋がりを表すとされています。「香飯(こうはん)」とも呼ばれ、炊きたてのご飯が一般的ですが、故人の好物や季節のものをお供えするのも良いでしょう。お供えしたものは仏壇に手を合わせてから直ぐに下げ、自分たちでいただくことが良いとされています。

仏具の種類

宗派により必要な仏具は異なりますが、以下に基本の仏具を解説していきます。

具足について

仏具の一番基本的な道具の形式として具足(ぐそく)と呼ばれるものがあります。具足とは「過不足がなく、必要なものが揃っている」という意味を指し、「三具足」「五具足」が最も一般的でその他に「四具足」などもあります。死後すぐに設けられる枕飾りから仏壇まで、全般的に用いられる道具となり、仏教において非常に重要視される基本の道具となります。

三具足(みつぐそく)

香炉(香)・花立て(花)・ロウソク立(灯明)

宗派により使用される仏具は様々ですが、三具足は、仏教用具のなかでも特別な道具とれ、ほぼどの宗派でも必要となるものとされており、先ずは揃えておきたい基本の仏具となります。

五具足(ごぐそく)

香炉×1・花立て×2・ロウソク立て×2

香炉を中心に、両脇に花立てとロウソク立てを対に飾ります。近代では略式の三具足を使用されることも多いですが、五具足が正式な荘厳の形式とも言われています。

四具足(しぐそく)

浄土真宗系で主に使われる形式です。本願寺派は華鋲(花)×2、火舎香炉(香)×1、火立(灯明)×1とされ、上記に挙げた仏教全般に使用される具足と同じような意味合いや内容ですが、名称もやや異なり、花=華鋲(けびょう)、香=火舎香炉(かしゃごうろ)、灯明=火立(ひたて)とされています。更に大谷派はやや仕様が異なり、仏飯器(ぶっぱんき)×2、火舎香炉×1、火立×1で四具足としています。

基本の「三具足」「五具足」「四具足」に加え六・七・八・十一具足といったものも存在します。仏壇を飾る荘厳はよりきちんと飾れる程良いかもしれませんが、キリもありません。これまで解説した五供・具足を踏まえ以下に基本的な仏具の名称や種類を挙げていきます。

  • 香炉(こうろ) 線香や抹香を焚く道具で、三本足の香炉は一本足を手前にして置きます。
  • 花立(はなたて) 華瓶(けびょう)ともいわれ、生花を供え飾るものです。
  • 燭台(しょくだい) 火立(ひたて)やローソク立ともいいます。
  • 仏飯器(ぶっぱんき) 仏器(ぶっき)ともいい、ご飯を盛る器です。
  • りん チーンと鳴らす道具で、りん台の上に乗せて使います。漢字では「鈴」や「輪」となりますが、すずと区別をつけるために「リン」や「りん」といったカタカナやひらがなで表記されることが一般的です。仏具の中でも梵音具(ぼうおんぐ)という種類に属します。梵音具は音を出す仏具のことをいい、木魚やお寺の鐘も梵音具になります。。祈りが仏様の世界まで届くようと想いを込めます。
  • 過去帳(かこちょう) 先祖代々の生死の記録が記されたもので、祀られている故人俗名や戒名(法名)、没年月日、享年などを、命日の日付のページに記したものです。位牌にも命日や戒名が記されている事から常時祀る家庭は少なく、記録としてお仏壇の中にしまっておく事が一般的となりますが、月命日の日には見台にのせて、開いてお参りをすると良しとされています。
  • 経机(きょうづくえ) お経を読む際の経本を置くための机とされていますが、仏壇の前に置き、その上に香炉や燭台、りんなどを置くことで、線香やローソクをお供えしやすく、お参りがしやすいため設置すると便利です。
  • 高杯(たかつき) 高月と書かれている事もあります。お菓子や果物をお供えする高脚のついた器で、正式な仏具ではありませんが、お供え物をするのに便利である事から仏具の一つとして用意する家庭も多いです。

仏具選びで気をつけること

購入場所

上記で挙げた仏具はごく一例です。仏壇を購入し、必要と感じてから様々な仏具を買い足すのも良いのではないでしょうか。しかし、仏壇を購入する際に大まかな仏具一式は揃える事になります。一般的な購入方法は、仏具店での購入です。仏具店であれば全体のバランスや専門的知識が豊富なスタッフからのアドバイスを受ける事ができ、安心感がありますが、インターネット・通販でも購入は可能です。近年のモダンデザインなどの仏壇に合わせ、重要仏具がセットになったものも揃っており便利です。ちなみにご本尊に関しては祀る仏像や掛け軸などは宗派によって異なりますが、本山から購入しなければいけないという場合などもあるので、事前に確認をした方が良いでしょう。

仏具の素材

仏具で最も一般的に使用される素材として、は真鍮があります。真鍮とは、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金のことを指します。日本国内最古の香は「法隆寺」が所蔵する飛鳥時代の真鍮製のものと言われています。真鍮は黒ずみなどによる劣化もあり手入れの必要な素材ではありますが、大切に手入れする事により、味わいがある素材です。その他にも木材や金、アルミニウムやクリスタルなど、近年では様々な素材の仏具があります。仏壇や祀るご本尊、お位牌、宗派とのバランスをとりましょう。

まとめ

大切なご仏壇を祀るためにあれもこれも揃えたいと思ってしまうと思いますが、揃えれば揃えるほどお手入れも大変です。先ず重要なのはご位牌とご本尊様です。そして基本の仏具に加え、祀る場所や仏壇とのバランス考え、揃えていくのが良いのではないでしょうか。