【相続の際の分籍】概要・手続き・相続の権利を解説

相続 分籍

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分籍とは

戸籍とは、身分関係の基本を把握するために作製されている公的証明書です。
戸籍法第六条によると

戸籍は市町村の区域内に本籍を有する一の夫婦及びその子供によって編製される

引用元:e-gov 戸籍法第六条 

と規定されています。戸籍の一番始めに記載される人のことを筆頭者と言い、苗字は筆頭者と同一のものを名乗ることになります。結婚すれば自動的に新たな籍が編製されますが、単身者でも分籍を行うことで親の籍から抜けて新たな戸籍を作ることができるのです。ただし、一度戸籍から抜けてしまうと戻ることはできません。

分籍すると相続に影響はあるのか

分籍すると相続にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
相続とはある人が死亡した場合に、所有していた財産を配偶者や子供などの法定の権利を持つ人に承継するというものです。誰が権利者に該当するのかは、相続発生時、つまり財産を持っている人が死亡した時点で決定します。分籍をしても被相続人との家族関係が変わるわけではないので、相続人として遺産分割協議に参加する権利に影響を及ぼすことはありません。

なかには、多額の負債を負う親の相続をしたくないために分籍を行う人もいますが、法的に親子関係が切れるわけではないため、遺産相続には何の影響もありません。マイナスの相続をしたくないのであれば、相続放棄と言う別の手続きを行なえば良いのです。

相続放棄について詳しく知りたい方は以下の記事を御覧ください。

【相続の基礎知識】相続放棄の流れ・手続き・費用・期限などを解説

分籍するための手続きや必要な書類について

分籍をするためには、旧本籍地か新本籍地、あるいは現在の住所地のいずれかの市町村の市民課に分籍届を提出します。必要な書類は以下の通りです。

  • 分籍届
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 分籍届に押印した印鑑
本籍地が手続きの前後で変わらない場合には全部事項証明書の添付を省略することが出来ます。ただし、届出地が従来の本籍地と違う場合には全部事項証明書の添付を求める自治体もあるので、事前の確認が必要です。手続きが完了すると、届出をした人が筆頭者となる、新戸籍が編製されることになります。

分籍に必要な条件や資格

分籍は誰でも行うことができ、筆頭者になれるというわけではありません。
分籍を行うにあたって必要な条件や資格を説明していきます。

成人していること

分籍の手続きをするには20歳以上である必要があります。

筆頭者でないこと

戸籍の筆頭者が分籍を行って一人だけの戸籍を新たに編製することも認められていません。筆頭者が本籍地を変える場合には、転籍の手続きを踏む必要があります。

既婚者でないこと

夫婦は同じ戸籍に入っているため、片方が戸籍から抜けるには離婚をする必要があります。

まとめ

単身者が自分を筆頭者とするには分籍を行う必要があります。しかし、分籍して籍を抜いたからと言って親子関係は解消されません。そのため、相続人から除外されることはないのです。こう考えると、相続と分籍との関係では、さほど法的に意義を見出すことは出来ないと言えます。
また、マイナスの財産を相続しないためには、分籍ではなく相続放棄をするようにしましょう。