【2018年最新版】40年ぶりの相続制度法改正で配偶者にメリット

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平成30年、40年ぶりに相続制度の法改正が可決されました。今回の改正では、配偶者への相続が配慮されたこと、遺言書が管理しやすくなったことが大きなポイントといわれています。

知らないと損をしてしまう可能性もあるため、2020年の試行までに、しっかりと内容をチェックしておきましょう。

3つの改正ポイント

今回の法改正でのポイントは、3つあります。

  1. 配偶者居住権
  2. 介護や看護をした人に報いる制度
  3. 自筆証書遺言に関する制度

誰しもが避けては通れない相続の手続き。法改正によって財産の取り分などにも影響がある可能性もあるため、しっかりと把握しておくと良いでしょう。

配偶者居住権とは

配偶者居住権は、2018年(平成30年)の40年ぶりの民法改正で新しく作られた制度です。

これは、配偶者は相続が開始した時点で住んでいる”被相続人が所有している建物“に住み続けることができるという権利であり、配偶者が死亡するまで継続します。この権利を売買することはできず、評価は平均余命などをもとに算出されるため高齢であるほど低い評価額になります。

配偶者居住権ができる前の相続では、配偶者が住んでいる家に住み続けるためにその不動産の所有権を所得しなければなりませんでした。そうすると、不動産の評価額が高額になってしまった場合にその他の財産が十分に相続できず、その後の生活に不安が残るということがありました。

また、自宅不動産の遺産分割協議を巡ってのトラブルも少なくなかったといわれています。配偶者居住権ができたことで、このような問題を解決することができるのです。

妻A(配偶者)と子供Bが法定相続人で財産が自宅(評価額2000万円)と預金(3000万円)、合計5000万円の財産があったとしましょう。

この場合妻Aが1/2、子供Bが1/2なので2500万円ずつ分割することになります。妻Aが自宅に住み続けるために2000万円の家を相続してしまうと預金は500万円しか相続できなくなるので、その後の生活に不安が残ってしまいます。

現行の分割方法

しかし、今回の法改正によって妻が居住権を、子供Bが所有権を取得すれば、1000万円ずつの財産として分割できるため、預金を1500万円ずつ相続することができます。改正後の分割方法

配偶者居住権での相続は所有権(それまでの相続)よりも安くなります。そのため、上記のような場合でも預金などのその他の財産が多く受け取るようになり、配偶者の経済的な負担を減らすことができるようになるでしょう。

婚姻期間20年以上の配偶者は遺産の取り分が増える

平成30年の民法改正は配偶者への配慮が手厚い内容になったものといわれています。

その例のひとつが上記の配偶者居住権ですが、これ以外にも婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、遺言書で配偶者に住んでいる家(自宅)を相続させる意思を示すことで、自宅は遺産分割の対象から外れるという制度も追加されました。

婚姻期間が20年以上の夫Aと妻B、子供Cがいたとしましょう。

財産が自宅と預金(800万円)であった場合、被相続人の夫Aが「妻Bに自宅を全て相続させる」という遺言書を遺せば、自宅は遺産分割の対象にならないため、妻Bは自宅の全てと預金の半分(400万円)を相続できることになるのです。自宅が財産の対象外になる場合

生前贈与で得た家は相続財産とならない

そして上記の制度は、生前贈与にも適用されるようになったことも重要なポイントです。生前贈与の場合、これまでは被相続人が遺言書で「住居は財産に含まない」と明示しておく必要がありました。

平成30年の改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦であれば生前贈与で得た家は相続財産とみなさないという意思表示とされるようになったため、遺言書を遺さなくても自宅の持ち戻し(相続財産に戻したうえで分割を行うこと)が不要になったのです。

看護・介護をした人への優遇

これまでの相続では、法定相続人以外の相続は、死因贈与(生前の贈与契約)または遺贈(遺言書への記載)がなければ行うことはできませんでした。

しかし今回の法改正に伴って、相続人以外で看護や介護をしていた人が、相続人に金銭を要求できるようになります。息子の配偶者が看護・介護をしていた場合などが挙げられます。

遺言書が全国の法務局で管理可能に

遺産相続で重要になってくる遺言書の管理が全国の法務局で管理できるようになったことも大きな改正点です。

これまで自筆遺言書は自宅で保管するか、弁護士に預かってもらうことしかできませんでした。特に自宅での保管は紛失や加筆修正の可能性があり、トラブルを起こす原因ともなっていました。

今回の法改正では自筆遺言書を全国の法務局で保管することが可能となり、トラブルを避けることができます。

また、法務局が管理することで、“相続人が遺言書の存在を知らない“という事態が避けられることも利点といえるでしょう。

自筆遺言書が手軽に作成できる

これまでの遺言書の作成は手書きでなくてはならず、被相続人の死後に自筆遺言書が見つかった場合は、相続人全員の立ち合いが必要でした。

しかし、今回の法改正によってパソコンでの作成が可能になり、証人も不要になります。このことで1人で手軽に遺言書を作成できるようになり、遺言書の修正も容易になりました。

まとめ:法改正で変わった相続に関する3つのポイント

いかがでしたか。平成30年の相続制度改正のポイントが理解できたでしょうか。

  • 配偶者居住権を使うと財産の取り分が増える可能性がある
  • 看護や介護をした相続人以外の人を報いる制度ができた
  • 遺言書が全国の法務局で管理できるようになった

の3つが大きなポイントです。

この改正で配偶者や介護・看護者が優遇されるようになった他、個人で手軽に遺言書が作成できるようになりました。遺言書は一度作って終わりというわけではなく、何度も修正しながら納得のできるものに仕上げていくことが大切です。

この機会に相続への正しい知識を理解し、後々に備えて遺言書を作成したり、遺言書の有無を確認したりして、相続のトラブルの回避を防ぎましょう。