【通夜振る舞い】喪主の挨拶、食事、所要時間などの基礎知識

通夜振る舞い 料理

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通夜の際、送料の読経や参列者による焼香が済んだあとで、お酒や軽食を振る舞うことを「通夜振る舞い」といいます。本記事では通夜振る舞いの意味や、催す際の基礎知識などについてご紹介します。

通夜振る舞いの意味

通夜振る舞いは、参列者への感謝の気持ちを示すとともに、「故人とこの世で最後の時間を過ごしてもらう」といった趣旨で行われるものです。その他にも、食事をともにすることで不幸を分かち合う、お酒を飲むことで身体を清めるといった意味合いもあります。

通夜振る舞いの起源

現在では滅多にありませんが、医療が発達していなかった頃は、亡くなったと思った人が後に息を吹き返すことが時々ありました。まだ生きている人を誤って葬ることのないよう、故人を一晩置いてから葬るという風習が生まれました。しかし信心深かった当時の人々にとって、「死んだと思った人が生き返るかもしれない」と思いながら一夜を過ごすことは、それがたとえ身内であっても怖いことでした。そこでみんなでお酒を飲み、恐怖を紛らわせるようにしたことが通夜振る舞いの起源だと伝えられています。

通夜振る舞いの基礎知識

喪主として、通夜振る舞いを行う際の基礎知識について説明していきます。

通夜振る舞いの喪主の挨拶

通夜振る舞いでは、喪主が参列者の皆さんの前に立って挨拶する機会が2回あります。1回目が献杯の挨拶、2回目がお開きの挨拶です。

献杯の挨拶

献杯とは、弔事の際に乾杯に変わって行われるものです。故人に敬意を示し、死を慎みながら盃を交わします。明るい雰囲気で行われる乾杯とは違い、器を打ち付けたりはせず、合掌や黙祷とともに行われます。
献杯の挨拶は、全員が揃っていることを確認したタイミングで行います。
故人を偲び、集まってくれた参列者への感謝を述べましょう。故人への思いが強いほど、話したいことも多くなりますが、献杯が済むまでは食事に手を付けられないので、1分ほどに手短に話すと良いでしょう。
また弔事の時に禁句とされている言葉もありますので、使わないように注意しましょう。「ますます」や「重ね重ね」といった言い回しは、不幸が重なることを連想させることから、禁句とされています。また「死ぬ」や「生きる」などの直接的なことばも良しとされませんので「ご逝去」「生前」といった表現を使うと良いでしょう。

お開きの挨拶

献杯からだいたい1時間~2時間ぐらいを目安に、お開きの挨拶を行います。
挨拶の内容は、参列者への感謝の気持ちを述べましょう。献杯の挨拶と同じように、1分ほどで手短に済ませます。この段階ではお酒に酔っている参列者の方もいるため、あまり長く話しすぎてしまうと、思わぬトラブルのもとになることもあります。

挨拶の後はお開きの挨拶が済むと、参列者は順次席を離れて帰宅し、やがて会場には故人と遺族だけが残ります。故人との時間を過ごすことが優先されるため、喪主や遺族は参列者に対して、特に見送りなどをしなくても失礼には当たりません。

通夜振る舞いの食事

通夜振る舞いの食事メニューや費用相場などについて解説していきます。

メニュー

通夜振る舞いでは元来、肉や魚などの生々しいものは避けられ、精進料理が主に出されていました。しかし最近では簡略化され、特に精進料理にこだわらない方が一般的です。

寿司や刺身は定番ですし、話しながら手軽に食べられるサンドイッチなども多く出されます。大皿に乗ったオードブルであれば人数の増減にも融通がききます。故人が好きだったものを出すのも良いでしょう。天ぷらや煮物、茶碗蒸しなど、様々な年齢層で好まれる料理も人気です。

古くからの風習に従って精進料理にする場合は、肉や魚を使わないほか、だしや調味料にも動物性のものを使わないよう注意する必要があります。お店に頼む場合にもその旨を伝えましょう。

費用相場

1人あたり3,000円が相場といわれています。通夜振る舞いでその日の夕食を済ませてしまおうと考える人はあまりいないので、それほど豪華にする必要はありません。あくまで故人と食事を共にすることが趣旨です。費用を節約したい場合は、おにぎりやサンドイッチなどを自宅で作って用意すると良いでしょう。

お酒

通夜振る舞いで出されるお酒には、死の穢れを清める意味があります。日本酒やビールなどを用意しておきましょう。こちらもあまりたくさん用意する必要はなく、参列者に一通り行き渡るぐらいの量が適切です。

通夜振る舞いのマナー

通夜振る舞いには、普段の食事会とは違ったマナーがあります。喪主側と参列者側に分けてご紹介していきます。

喪主側

・参加する範囲には地域差がある
通夜振る舞いに誰を呼ぶかには地域差があります。例えば関東地方では一般の参列者も招きますが、関西地方では身内だけで行う傾向があります。また通夜振る舞いそのものを行わない地域もあります。通夜を行う地域や、宗派の風習に合わせましょう。

・遺族は末席に座る
着座式の場合は、僧侶が最上席に座り、喪主や遺族は末席に座ります。(参列者の方は、最上座や末席に座らないように注意しましょう)

・僧侶が同席できない場合
通夜振る舞いには僧侶にも参加していただくのがベターですが、参加していただくことが難しい場合は、「御膳料」を渡します。交通費にあたる「御車代」もこの時に渡しましょう

参列者側

【声を掛けられたら断らない】
通夜振る舞いは必ず参加しなければいけないものではありません。しかし。参列者として通夜振る舞いに誘われた場合は、できる限り断らないのがマナーです。忙しい場合も、帰る前にひと口だけでも箸をつけていくのが良いでしょう。事情があり、それも難しい場合は、丁寧に断りを入れた上で目立たないように退席しましょう。

【過度に盛り上がらない】
弔事ですので、過度に盛り上がったり大声で笑うことは控えましょう。喪主や遺族は大切な身内を亡くしたばかりですので、その心情を慮った振る舞いをすることが大切です。またお酒を飲んでも羽目を外さず、普段以上に節度をもった飲み方を心がけましょう。

【死因に関する話題はNG】
故人の死因は非常にデリケートな問題です。訊かれたくない喪主や遺族は少なくありませんから、たとえ気になっても尋ねてはいけません。

【故人に関係ない話をしない】
共通の知り合いと再開する機会があるかもしれませんが、あくまで故人を偲ぶ場ですので、関係のない話題は慎むようにしましょう。また職場の同僚が来ていることもあるでしょうし、仕事につなげたい相手と出会うこともあるかもしれませんが、この場で仕事の話や名刺交換をすることも、やはり控えましょう。

【あまり長居はしない】
故人や遺族と特に親しい間柄ではない場合は、それほど長居をせずに30分ほどで退席するようにしましょう。

まとめ

  • 通夜振る舞いは、食事の時間を通じて、故人と最後の時間を過ごす場。
  • 乾杯の挨拶、お開きの挨拶の際には、参列者へ感謝の意を示しつつ、禁句に気をつけて手短に。
  • メニューについては、精進料理にこだわらないのが一般的。
  • 相場は一人あたり約3000円。
  • 参加する範囲には地域差があるため、宗派や地域のやり方に合わせる。
  • 参列者は過度に盛り上がらず、喪主や遺族への気遣いを忘れずに。