【通夜の意味】食事・数珠・塩・弔問・焼香などを徹底解説!

法事

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故人が亡くなった際に行われる通夜。現在は形式的に行われることも多いですが、法具や習慣のひとつひとつにきちんと意味があります。意味を知ることで、より心をこめて故人を送り出すことができるのではないでしょうか。

通夜の起源

通夜のように、故人を埋葬する前に一晩見守るという行為は、仏教に限らず多くの民族で行われています。医学の発展した現代とは違い、死の確認が難しく、亡くなったと思った人が息を吹き返すことが少なくありませんでした。そのため誤って埋葬することがないよう、一夜を通して時間を掛け、亡くなっていることを確かめる必要がありました。

なお、死亡の確認が容易になった現在においても、故人は死後24時間以内は仮想してはいけないと法律で定められています。

また、仏教の開祖である釈迦が入滅(死去)した時、弟子たちがその死を忍び、釈迦からの教えを夜通し語り合ったことが通夜の起源だともいわれています。

通夜の意味について

通夜や葬儀で用いられる法具や習慣には、様々な意味や背景があります。この記事では、その中でも代表的なものについて解説していきます。

通夜振る舞いの意味

通夜の際に行う食事会のことを「通夜振る舞い」といいます。忙しい中駆けつけてくれた参列者への感謝を示したり、「故人とこの世で最後の時間を過ごしてもらう」といった趣旨で行われるものです。

また故人の前で食事をとることで「親しい人たちが集まって食事をとっていても目を覚まさないのなら、本当に死んでいるのだろう」と、故人の死を確かめる意味合いもあるとされています。

参列者として通夜に参列した際、通夜振る舞いに誘われたら、できる限り断らずに出席しましょう。長居が難しい場合であっても、一口だけでも箸を点けてから退席するのがマナーです。

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塩の意味

通夜や葬儀の際に参列者に対して渡す「清め塩」は、穢れを祓うためのものです。通夜や葬儀から帰宅した際に自宅の玄関先で身体に振りかけて使います。塩で穢れを祓うという風習には、塩が遺体の腐敗を遅らせたり、消毒作用を持っていることに由来しています。ここでいう「穢れ」とは、故人の霊のことではなく、人を死に至らしめた邪気のことを指します。決して故人の霊を祓うという意味ではありません。

なお、塩で穢れを清めるという習慣は神道発祥のもので、本来の仏教にはなかった考え方です。日本の長い歴史の中で神道と仏教が混同した結果、仏教においても清め塩が用いられることが増えました。

逆に近年は、本来の仏教には死を穢れとする考え方はないことから、清め塩を用いないことが増えてきています。また宗派や地域によっても、清め塩を用いないことがあります。

線香の意味

通夜の際には、線香を1本だけ香炉に立て、一晩中火を絶やさないように気をつけます。この線香には、立ち昇る煙が浄土への道標になってくれるという意味があります。道標がいくつもあっては、故人が道に迷ってしまうため、通夜の際の線香は1本だけなのです。この他にも線香の意味には、火や香りが魔除けになってくれるという説、故人が寂しくないよう傍にいるため灯すという説など、諸説あります。昔は現在のように、遺体に防腐処理を施すことができなかったので、香りで死臭を消したり、死臭を嗅ぎつけてやって来る獣を火で追い払う効果があったのではないかとも考えられています。

数珠の意味

数珠は念仏を唱える時に使用する法具です。珠の数は人間の煩悩の数と同じ108個が基本ですが、持ちやすいように1/2にした54個のものや、1/4の27個、1/6の18個のものなど様々なものがあります。それぞれの珠が、人間の煩悩を引き受けてくれるとされています。

仏教の教えでは1人1つずつ持つものとされているため、持っていないからといって貸し借りをするのはマナー違反になります。持参するのを忘れた場合や持っていない場合は、数珠を持たずに参列しても問題ありません。とはいえある程度の年齢になると、通夜や葬儀に参列する頻度も増えてきますから、持っていない方はあらかじめ購入しておくと良いかもしれません。

弔問の意味

弔問(ちょうもん)とは、故人の遺族のもとを訪ね、お悔やみの言葉を伝えることです。通夜や葬儀に参列してお悔やみを述べる場合も、別日に遺族を尋ねて述べる場合も、どちらも弔問といいます。通夜や葬儀の日程は、その性質上、事前には分からないことがほとんどですので、どうしても都合がつかない方も出てきます。そういった方は、通夜や葬儀とは別の日に遺族のもとを訪ねて弔問を行います。この場合は、葬儀を終えてから49日以内に行うのが良いとされています。

通夜の日程について

友引の葬儀は避ける

一般的に友引には葬儀を行いません。「友を引く」の字面から、この日に葬式を出すと友人を死に引き寄せてしまうと言い伝えられているためです。また友引の日は休業している火葬場も多いです。通夜の場合は葬儀と違い、友引を避ける必要はありません。しかし通夜は葬儀の前日に行われるため、葬儀が友引に重なる場合には、必然的に通夜の日程も調整する必要があります。

仮通夜

友引の葬儀を避ける場合や故人が深夜に亡くなり通夜の準備が間に合わない場合などに、仮通夜を行うことがあります。仮通夜は基本的に親族だけで行われるため、参列者が参加することはありません。なお、現在では遺体を保存する技術も発達したことから、遺体を霊安室に安置しておくことが多くなり、仮通夜が行われること自体が少なくなっています。

宗教別の通夜の意味

仏教には様々な宗派があり、通夜が持つ意味もそれぞれ少しずつ異なります。代表的なものについて紹介していきます。

浄土宗

浄土宗における通夜は、故人と過ごす最後の夜を通し、生前の姿を思い起こしたり、感謝の気持ちを心に刻む意味合いがあるとされています。

浄土真宗

阿弥陀如来を強く信じる浄土真宗の通夜では、故人に対してではなく、阿弥陀如来に対してお経を唱えます。一生を通して育ててくれた感謝の意を、亡くなった故人に代わって伝えるという意味合いがあります。

曹洞宗

釈迦は死に際した時、弟子たちに最後の教えを説いたといわれています。曹洞宗の通夜ではその様子に倣い、故人に代わって僧侶がお経を唱え、残された人々がその縁を心に刻む場といった意味合いがあります。

真言宗

真言宗の通夜では、参列者の思いを故人に届けるため、仏の力を借りようという意味合いで行われます。

まとめ

【通夜の起源】

  • 通夜は元来、医療が発展していなかった時代に、故人の死亡を確認するために行われていた。
  • また釈迦の弟子たちが、釈迦の死後、その教えを語り合ったことが起源ともいわれる。
【通夜の意味】
  • 通夜で振る舞われる食事を「通夜振る舞い」という。
  • 「清め塩」を貰った場合は、帰宅時に自宅の玄関先で身体に振りかけて使う。
  • 線香の意味には、浄土への道標や魔除けなど諸説ある。
  • 数珠の貸し借りはマナー違反。持っていない場合はなくても構わない。
  • 通夜に参列できない場合は、葬儀から49日以内に弔問を行う。
  • 通夜をすぐに行えない場合は、仮通夜を行う場合がある。
【各宗派の通夜】
  • 浄土宗では、故人との思い出を振り返る意味合い。
  • 浄土真宗では、故人に代わって阿弥陀如来に感謝を伝える意味合い。
  • 曹洞宗では、故人の死を釈迦の死に見立てて行われる。
  • 真言宗では、仏の力を借りて参列者の思いを故人に届ける意味合いがある。