【曹洞宗】葬儀のマナーや作法、式次第、費用などを解説!

曹洞宗葬儀の流れ_アイキャッチ画像

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仏教のうち、座禅を行うことによって仏様のような悟りを目指す禅宗の一派として、曹洞宗という宗派があります。

道元と瑩山という2人の導師によっておよそ800年前に伝わり、広められた曹洞宗の葬儀には、一般的な仏式とは多少異なる考え方や作法が採用されています。

今回は、仏教のなかでも浄土真宗などと比べると参列の機会が少ないとされる曹洞宗の葬儀について、その特徴や式次第、それぞれの儀式の意味を解説します。

あわせて、参列するときに守るべき香典や焼香回数のマナー、葬儀費用やお布施金額の目安も紹介しているので、曹洞宗の葬儀に臨む前にぜひ目を通してくださいね。

曹洞宗の葬儀とは?

仏教のなかでも禅宗の1つである曹洞宗において、葬儀は死者がお釈迦様の弟子となり、悟りを開くための儀式と捉えられています。

後述する葬儀の式次第のなかに、出家した僧侶が行う「剃髪」や、悟りの道へ誘うための「引導」など、特徴的な儀式が含まれているのはこのためです。

また、曹洞宗の葬儀は浄土真宗などと比べると、やや葬儀に要する時間が長い傾向があるのも特徴的です。

禅宗の葬儀は、仏教の考え方をベースにしながら禅宗ならではの考え方にのっとった特徴的な作法が含まれているものと心得ておくと良いでしょう。

曹洞宗葬儀の式次第

仏教・禅宗のなかの一派、曹洞宗の葬儀の特徴がなんとなくわかったところで、ここからは曹洞宗の具体的な葬儀の流れについて、式次第に沿って解説していきます。

剃髪

「導師」「お導師様」などと呼ばれる曹洞宗の僧侶が、通常の出家儀式と同じように、僧侶になるために髪を剃る「剃髪」を行います。

ただし、これは実際に故人の髪を切ったり剃ったりするのではなく、かみそりを持って印を結ぶような手ぶりをしながら「偈(げ)」を唱えるものです。

「偈(げ)」とはお釈迦さまからの教えの内容(お経の一種)のことで、葬儀の剃髪では出家の儀式に用いられる偈が唱えられます.

授戒

剃髪を持って故人が出家したものとし、仏弟子とするために「戒名を与える」儀式です。

授戒の過程では、それぞれ意味合いの違う以下5つの儀式を順に行うことで、正式に戒名を賜り、仏弟子になることができるとされます。

  1. 洒水…「しゃすい」と読み、故人に清らかな水を手向けて清めます。
  2. 懺悔文…「ざんげもん」と読み、故人の生前の行いを振り返り懺悔します。
  3. 三帰戒文…「さんきかいもん」と読み、仏の教えを守って仏堂に帰依することを誓います。
  4. 三聚浄戒・十重禁戒…「さんじゅうじょうかい」「じゅうじゅうきんかい」と読み、仏弟子として守るべき戒めを確認させ、導師が法性水を位牌や自らの頭に注ぎます。
  5. 血脈授与…「けちみゃくじゅよ」と読み、故人が仏弟子となった証として、血脈を授けます。

入棺諷経

正式に仏弟子となり、清らかな存在となった故人を仏の世界へと贈るために「大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)」というお経が唱えられます。

この大悲心陀羅尼の読経の間に遺族・参列者の焼香なども行われ、お経が終わった後には「入棺諷経(にゅうかんふぎん)」という言葉が述べられます。

挙龕念誦

「挙龕念誦(こがんねんじゅ)」では、お経の種類を「大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)」というものに変えて、引き続き読経を行います。

この挙龕念誦では、小さなシンバルのような鐃祓(にょうはつ)や太鼓など、鳴り物と呼ばれるものを鳴らしながら邪気を払っていきます。

引導法語

「引導法語(いんどうほうご)」では、導師が故人の生前の様子を漢詩にして読み上げた後、松明または線香を右・左にそれぞれ一回ずつ回して、悟りの世界へ誘います。

次に、柄の先に毛の房が付いた「払子(ほっす)」という仏具を使い、邪気を払います。

これを以って故人の迷いと邪気を払い、悟りの心境と故人の生前をしのんだ徳(法語)を与え、迷わず仏の道へ進めるよう引導を渡します。

山頭念誦

「山頭念誦(さんとうねんじゅ)」では、仏弟子となった個人の仏性(仏としての適性、仏になれる素養)が覚醒するように祈ります。

出棺

山頭念誦までが終わったら、棺を開けて花や思い出の品を手向けて、仏教と同じように故人とのお別れの儀式をします。

お別れが済んだら、故人への供養を込めて「回向文」というお経を唱え、鳴り物を鳴らして故人を荘厳に送り出します。

曹洞宗の葬儀の香典マナー

葬儀式の流れとあわせて、参列者が知っておくべき曹洞宗の葬儀の香典マナーについても、ご説明します。

以下に、曹洞宗の葬儀に香典を用意するときの「表書き」「金額の目安」「包み方」の基本マナーをまとめてご紹介しますので、参考にしてくださいね。

  • 表書き   御香料または御霊前とする。御仏前はマナー違反
  • 金額の目安 故人の家族は3~10万円、親戚は3万円前後、知人・友人は5000~1万円程度
  • 包み方   黒白または双銀の水引で、仏式に対応した香典袋に包めばOK

曹洞宗の焼香作法

次に、曹洞宗の葬儀での焼香の作法についてご説明します。

基本的には、一般的な仏式と同じように、以下のような作法で行えば問題ありません。

  1. 仏前で位牌・遺影・仏様を見て合掌、一礼
  2. 右手の親指・人差し指・中指で香をひとつまみし、左手を添えて額の位置で押しいただき、故人の供養を念じる
  3. 香を炭の上にくべる
  4. 2回目は少し少なめの量の香を取り、額には押しいただかずに炭にくべる
  5. 最後に改めて位牌・遺影・仏様を見て合掌、一礼して席に戻る

焼香の回数

曹洞宗の葬儀式での正式な焼香回数は2回です。

しかし近年では、会葬の人数が多い場合などは式場関係者から「焼香は1回で」と指示のアナウンスが入ることもあります。

曹洞宗の葬儀に参列するときの焼香は「基本的には2回」、あとは臨機応変に1回に変更可能と理解しておけば良いでしょう。

曹洞宗のお布施

ここからは、自分が喪家として、曹洞宗の僧侶に葬儀での読経や戒名をいただいたことへのお礼として支払う「お布施」についてご紹介します。

お布施の書き方は?

お布施の包みに何を使うかは、地域や菩提寺の風習によって異なります。

奉書紙・白い封筒・香典袋のような水引付きの封筒などさまざまなパターンがありますので、まずは菩提寺や親族の年長者に確認すると良いでしょう。

書き方としては、まず外包みの封筒の表には濃墨で「御布施」と書き、中袋の裏面左下に喪家代表者の住所・氏名を、右側には金額を記入します。

金額を書くときは数字の前に「金」と入れ、「金 〇萬圓」などと書きましょう。

なお、金額は旧字体で書くのが丁寧であるとされています。

お布施の相場は?

曹洞宗葬儀のお布施の金額は、喪家と菩提寺との付き合いの程度や葬儀の規模、どのくらいの戒名をもらったかなどによってかなり変わってきます。

一般的には、読経料・戒名料の合計で30~60万円程度のところが多いようですが、菩提寺に教えを乞うかたちで直接確認した方が確実でしょう。

曹洞宗の葬儀費用

一般的な仏式の葬儀費用は100~200万円程度とされますが、仏式のなかでも曹洞宗を含む禅宗の葬儀はやや特殊なため、若干葬儀費用が高額になる傾向があります。

お布施の金額も見越して、200~300万円程度と考えておくことをおすすめします。

まとめ

曹洞宗の葬儀は「故人を仏弟子として出家させる」という考えのもとに行われるため、剃髪・授戒・引導法語など、式典には独特な儀式が含まれています。

香典の表書きの書き方や、焼香回数など葬儀式参列のマナーにおいても、一般的な仏式をベースとして独特の注意点が存在します。

式典全体の流れや意味合いを理解しておかなければ、思いかけず失礼な振る舞いをしてしまう可能性もあります。

曹洞宗の葬儀で遺族に失礼なく、故人を弔う気持ちがきちんと伝わるお参りをするためにも、この記事の内容をきちんと覚えておいてくださいね。